障がいのある子どもたちの尊厳を守るために ~市民アドボケイト事業~

先日ソーシャルジャスティス基金(SJF)http://socialjustice.jp/p/ の助成発表会に参加しました。SJFとは市民による社会提言活動(アドボカシー活動)を、市民の力を集めて支援する市民基金です。その助成団体報告の中で特に公益社団法人子ども情報研究センターによる障害児施設市民訪問アドボカシー事業は社会に広く知らせる必要があると感じました。

1977年からチャイルドラインなど子どもに寄り添った支援を行ってきた公益社団法人子ども情報研究センターhttp://www.kojoken.jp/ は2016年に障害児施設を訪問する市民アドボケイト(子どもの声を代弁、養護する人)を養成し、翌年に毎週2時間、2人のアドボケイトが1か所の施設を訪問する事業を始めました。障害のために言葉で自分の気持ちを伝えることが難しい子どもたちは、熱心に子どもたちの声に耳を傾けるアドボケイトに対し訪問回数を重ねるごとに信頼を寄せるようになります。それと同時に、アドボケイトは子どもたちが何を言わんとしているのかを読み取れるようになっていきます。職員でも親でもなく、徹底して子どもに寄り添うアドボケイトの存在は、子どもの権利を守る立場として重要です。アドボケイトの定期的な訪問は、施設の実態を知り子どもに関わる専門家が施策を考えるきっかけとなり、開かれた施設への第一歩となっています。

アドボケイトが訪問を始めたとき、施設内には遊具は何もなく、テレビがついているだけで、自由度の低さ、子どもの権利の視点の少なさに気付いたそうです。また、職員による性的虐待もあり、障害のある子どもたちに「いやなことはいやだと表現していいんだよ」と伝えることの重要性を再認識したそうです。

子どもに寄り添い、こどもの気持ちを理解しようと努力し、子どもから学ぶ市民アドボケイトの姿勢は、障害児施設だけではなく、あらゆる子どもの施設や身近な子どもに対しても必要です。まずは、大人が子どもの権利を理解することが必要だと思いました。