今週月曜日に八王子市長の鶴の一声で始まった小中一貫不登校児童・生徒のための学校、高尾山学園を視察してきました。これは生活者ネットワークの子ども部会で行ってきました。大きな団地の中にあるこの学校は団地住民の高齢化により児童数が減り廃校になったものを利用しています。小学生は4、5、6年で9名。中学生は75人です。登校時間も自由、授業に出るのも自由、クラブ活動もいろいろありますが自由です。テストも年に1度だけ。ゆるい感じで空間もゆったりしていて毎日半分ぐらいの生徒出席率なので授業は4人を3人の先生が見たりととても丁寧に対応されていました。ここに来る子どもたちはほとんど学校には行っていないけど買い物、塾、友達とは遊べる子たちだと言っていました。その子どもたちは卒業後ほとんど進学していくという高い実績を上げています。不登校になる子どもの半分は発達障害だともいわれていますが、1人1人様々な理由があり個別の丁寧な対応が必要だと思いました。市長の肝入りで始まったこの学校は教職員40名体制でそのうち半分は八王子市職員で3800万の予算をつけているそうです。将来生活保護をうけないで自立していけるように今の学校システムに適応できない子どもの受け皿として大切だと思いました。
前回の九州視察と、八王子を視察して感じたことは、鳥栖の理想的な小中一貫校と高尾山学園は子どもへの丁寧な対応、ゆったりとした空間、ノーチャイム、広い校庭等共通点が多かったことです。
子どもにとって緩やかな時が流れるよう心がけ、子ども自身の育ちを支援していく必要があると思います。「学校」という枠の中では身動きのとれなくなっている子どもたちも多く、今後は学校を中心としたコミュニティづくりが重要ではないでしょうか。地域の見守りの中で緩やかな学校運営ができることが望ましいのではと考えます。急激な社会の変化に学校も合わせていかなくてはならない教員にとっては大変な時代だけれどもこれからの未来に関わってくるとても大事な分野なのだと改めて思いました。
広吉 敦子