「急性期医療から慢性期医療へと変わるべき日本の医療」について
2014.7.10、慢性疼痛に関する勉強会に参加した。
疼痛は二つに分類され、3か月以内の原因のわかる疼痛を急性疼痛といい、3か月以上の原因がわからない疼痛を慢性疼痛と言うそうだ。
ケガや手術や病気等の原因がある疼痛は炎症で起こる場合が多く、ほとんどの場合
3か月以内で痛みが消えるので急性疼痛だと言える。
一方、世の中には原因不明の痛みに長期に苦しんでいる人が沢山いる。
高齢者の膝や腰が痛い等は慢性疼痛に当たるだろう。
現代の日本の医療はほとんどが、急性期医療で、診察料は安く、薬を出すことで診療報酬となる点数がつくようになっていると言う。
慢性期医療の場合は丁寧に患者に向かい合うので診察に時間がかかり、薬を出さない場合も多く、点数にならない。
もし、薬を出す場合は対処療法となり、副作用もありえるので慎重に処方しなければならない。
現在の日本の医療体制では、慢性疼痛の患者さんに本当の治療がしたくても経営が成り立たたず、状況は厳しい。
しかし※高齢化社会になり、慢性疼痛が増えてきている今、急性期医療(キュア)から慢性期医療(ケア)に、医療を変えなければならないのではないか!
私は子宮頸がんワクチンの副反応について、導入時から問題視してきた。現在、深刻な副反応に苦しんでいる被害者の治療体制がなかなか進まずにいる原因の1つに、この構造が影響していると考えている。
ワクチンの成分による副反応の原因究明は急務で、根本治療が早くできることを願うが、それと並行して長期化する痛みだけでも緩和するよう、慢性疼痛治療としてきちんと位置づけ、ケアしていくべきだと考える。
私は医療の構造を変えるために様々な機関に働きかけ、常に患者とその家族の心に寄り添っていきたい。
*ドメス出版「在宅医療が日本を変える」中野一司著 より、引用