災害時における母子救護に関する講演会に参加して

 

他者に助けを求めることができ、快くサポートを受け止める力 を「受援力」と言います。地域にある人的・物的資源を把握し、どんな支援が必要か判断できるコーディネート力も必要です。やはり、どんな時でも地域のつながりが大切だと実感しました。

 5児の母親で産婦人科医の吉田穂波さん(国立保健医療科学院 母子保健担当 主任研究官)から、東日本大震災における妊産婦の避難所生活の実態を伺い、今後、自治体が取り組むべきヒントを得ることができました。 

 東日本大震災では妊産婦や小さなお子さんを連れている人たちが無事に避難しているか確認の手段がなく、避難所にいるこのような人たちへの対応もその場にいる自治体の職員が決めなければなりませんでした。例えば、配給の食事にしても妊産婦さんには多めに配るとか、段ボールや毛布を一枚余分に渡すなど、男の人では気付かないことがたくさんあり、事前に対応の仕方が決まっていればもっとスムーズにできたそうです。

 避難所では、赤ちゃんの哺乳瓶やおむつ、妊産婦に必要なものなどが何も揃っておらず、産後の母親は赤ちゃんの泣き声や授乳にも気を使いながら、プライバシーの無い生活を送っていました。自治体の防災計画には災害弱者として「妊産婦や母子救護」についての視点もなかったのです。

 文京区では区内の女子大と協定を結び、妊産婦・乳児専用の避難所を設置することを決めました。そうすることで助産師が派遣しやすくなり、必要な備品類も備蓄することができます。ミルク(アレルギー対応の物も)・おむつ・水などの他に、超音波ドプラー・アンビューパック、分娩キッドまでそろえてあるそうです。何より、妊産婦さん達が安心して避難ができることが一番良いことだと思いました。現在の日本では医療の発達に伴い出産で亡くなることはほとんどありませんが、出産はやはり命がけであり、災害時でも出産は止めることはできません。産褥期の母子の心身の状態も不安定なことから、やはり、「母子救護」の視点は必要です。

 目黒区では、文京区のように女子大がありませんが、子どもを連れて非難しやすい保育園や女子高等と連携し、災害時の「母子救護」が実現できたらよいと思います。