議会報告 (第3回定例会)
平成23年度決算特別委員会が終了しました。昨年度は、財政難のため「財政健全化に向けたアクションプログラム」を策定した年でした。削減計画が区民生活に過大な負担を強いていないか検証しながら決算委員会に臨みました。
削減計画は区民参加でチエックしながら行うべきだ
平成23年度決算では一般会計歳入は2%微増し906億300万円余、歳出は0.3%増の864億8000万余と黒字ですが、基金を取り崩して何とか、乗り切りました。「暮らしサポート23」では前年度を上回る予算が組まれ経済の低迷の影響に支援の手がより厚く入れられたことは評価できます。短い期間で通常の行政運営を行いながら全事業を見直しほぼ10%事業費削減の「アクションプログラム」。平成24年度から実行されていますが、検証を重ね、修正しながら平成26年度まで進めていくべきです。
◆自分たちで自分たちの住むまちを作る「住民自治」がキーワード
今回の決算委員会では、区長や各所管に対する質問の中で、住民自治の重要性を訴えました。目黒区は計画を作るときはパブリックコメントや説明会等を行い必ず住民の意見を聞いていますが、今のやり方では区がめざしている「協働を基本とした区政の推進」になっていません。今回行った区有施設使用料改定案も夏休み2週間でのパブリックコメント募集のみで十分な議論のないまま今議会で正式に値上げが決定、25年4月から実施されます。これから手をつける177の区有施設見直しは24年度に案を策定、公表、有識者会議で検討し、25年度に方針が決定します。26年度に実施予定と少し時間の余裕があるため、世代を超えたより多くの区民の方々が協議の場に参加できるよう無作為抽出による区民委員選出や、テーマごとに議論の場を設定するなど工夫すべきです。
パーシモンホール広場での球技禁止問題。これも住民自治で解決していける問題です。
もともと球技禁止のルールはありましたが、大きな問題もなくボール遊びの姿が見られました。しかし、苦情が出た途端「球技禁止」の張り紙がたくさん貼られ、注意も厳しくなりました。学校を開放した学校ひろばも経費削減で時間が短縮し、ますます子どもの遊ぶ空間が減っています。ボール遊びをする場がないという声はいたるところで子どもの口から聞きますが、果たして苦情対策、経費削減で子どもの遊び場を奪っていいのでしょうか?
子どもが十分に遊んで育つ環境が減少している中、公園は子どもたちの貴重な遊び場です。公園の使い方は利用者が話し合って決められるよう、行政は場を設定するなど「公園の使い方を考える懇談会」を提案したところ「そのような会を希望する区民の声が多くなれば行います」と答弁がありました。是非とも子どもたちも含めた地域の方々と使いやすい公園を作るために話し合いの場を設け、ともに公園づくりができることを期待します。
◆虐待、いじめ問題
目黒区で先日起こった虐待事件。原因はまだ不明ですが、食い止められず、大変残念なこととなりました。目黒区の5つの地域子育て支援拠点事業(ひろば事業)だけでなく民間のひろば事業も行い、重層な子育て施策を行うべきだと再度訴えました。
大津のいじめ問題から社会全体に火がついた「いじめ問題」。学校の構造にも原因があると指摘し、大塩教育長に直接いじめの考え方を聞きました。「いじめ問題は人権問題である」と答弁がありましたが、いじめを減らすことばかりに目をむけるのではなく、問題の本質である学校のあり方まで深く議論し、しっかり子どもたちと信頼関係が築けるような学校改革に取り組んでほしいと思います。
◆子宮頸がん検診と新生児訪問
国が来年度から30歳対象に子宮頸がん検診のHPV検診を導入する方針を決めたのに伴い、目黒区の検診率を聞くと20代は30%弱、30代は40%と全国平均の20代10%前後、30代30%前後と比べ検診率が高いことが分かりました。
以前の一般質問で新生児訪問の訪問実施率が低いことを指摘した結果、工夫がみられ平成23年度実績で40%、今年度は半期で55%を超えました。今年度の訪問希望は75%と高くなりましたが、ぜひ、全戸訪問を達成してほしいものです。
条例審査
◆値上げの条例改正があったが、その影響は?
1、目黒区保育所保育料所得別値上げ。第3子以降は無料
2、目黒区立幼稚園保育料値上げ。月額7,500円→9,000円
3、目黒区学童保育料値上げ。月額6,000円→8,000円
4、ほとんどの目黒区施設使用料値上げ
◆目黒区立こども園条例制定
「こども園」は、保育園機能と幼稚園機能を併せ持ち、親の就労に関わらず、子どもを通わせることができる施設で、目黒区では初めての「こども園」となります。
25年4月1日から目黒区立みどりがおか幼稚園→目黒区立みどりがおかこども園
入園料 1,500円、
保育料 短時間保育 月額 12,500円
中時間保育 月額 22,400円
長時間保育 月額 27,300円
子ども・子育て法案は通ったが、いまだ予算がしっかりつくかが未定な状況下での子ども施設値上げは反対。区民活動、コミュニティの重要性を認識していれば施設使用料値上げ等できないはずです。よって区有施設使用料値上げに反対しました。
陳情審査
◆がれき広域処理の公開討論会開催の要望、安全性の問題を指摘した陳情2本が自・公・民の反対で不採択と残念な結果になりました。
意見書提出
◆議員削減より議員報酬の削減が先だ。
みんなの党による区議会議員削減36人→32人の提案がありましたが、住民自治が深まっていない今の時期に削減を行うとあらゆる世代、さまざまな意見が反映されず偏りが出ると考え反対しました。みんなの党以外全員反対で不採択となりました。
教育長人事について
◆教育委員会教育長が変わりました。大塩晃雄教育長退職
3期12年務められた大塩晃雄氏から元教育次長経験のある小笠原行伸氏に代わりました。
今回の議会は様々な料金値上げ、副区長再任、教育長、教育委員交代ととても大きな流れがありました。是非みなさん傍聴にいらして区政変革期を注視してください。