新しい形の家事代行業「(株)御用聞き」の話をききました
今までの家事代行のニーズは30歳~60歳の共働きで年収750万~2000万の家庭。時々、頑張った自分へのご褒美としてお客様は1時間3,000円~5,000円もの料金を支払ってくれました。しかし、世の中の状況も変わり、今一番家事代行でニーズがあるのは年齢60歳以上で年収250万以下の層。もともとソーシャルビジネスをしたかった代表の古市さんはここに目をつけます。電球の付け替え、リモコン設定、家具移動、衣替え、外回り掃除等等。5分間100円、1時間だと2500円。大学生が主力のサービスは会話を楽しむことで質をカバーし、満足度を高めます。「必ずお客さんも一緒に作業することになります。学生なのでついついお客さんも手がでて結果そうなるのです。でもそのお蔭で会話がはずみ、お客さんの満足度は高まります。時間を共有し、共働し、共感するのです」と古市さんは言います。会話で世の中を豊かにするにはさらなる工夫も必要。「(株)御用聞き」は何でも仕事を引き受けず、難しいものはすぐに他を紹介します。会話ができるように機械はいれず、若者が得意なデジタル関係、簡単な作業を引き受けます。その結果リピート率は80%。他にコミュニティカフェを作り人々の交流を図ったり、作業の合間にポスティングしたり、常にお客さまのリピートしやすい環境を作っていきます。また、ハザードマップを作り地域情報をお客様に提供し、とても感謝されています。現在光が丘団地他5つの団地で事業を展開。だいたい1つの団地で責任者1人、大学生3人でチームを作り、2000世帯カバー。責任者は月報酬25万~30万。大学生には時給850円報酬を出しているといいます。社会貢献をしながらビジネスにつなげていく。行政も企業もなかなか手をだせない部分を「御用聞き」と書いた前掛け1つで人々に寄り添い、足りない所を補っていく。これからどんどん進む高齢化時代に人と人、人と物、人と社会をしっかりつないでいくコーディネーターとして期待できる事業だと思いました。
広吉敦子