国際バカロレアが日本の子どもたちを変える
皆さんは 2018年をめどに国はセンター試験を廃止し一発勝負の入試制度をやめ、「達成度テスト(仮称)」を導入し、それと同時に教育の国際化を一気に進めていく予定だということをご存知でしょうか?現在、中央教育審議会で検討中であり、今年度中に答申をまとめる予定です。
先日、私は東京インタ―ナショナルスクール創設者でありこの教育の国際化、国際バカロレア推進の中心人物の坪谷さんと出会い、「国際バカロレア」教育が答申に盛り込まれることを知りました。「国際バカロレア」のプログラムは学力偏重ではなく「全人教育」であることがすばらしく、今の日本教育に漂う閉塞感の突破口になるかもしれないと私は直感しました。そこから坪谷さんの本を購入したり、資料を取り寄せたりと大忙し。
2018年というとあと4年。その間に国際バカロレア教育プログラムの高校を現在19のところ200校に増やすというのです。いったい国際バカロレア教育とはどんなものでしょうか。
「国際バカロレア」は1968年にスイスに設立されたNPO国際バカロレア機構によって運営されている3歳~19歳までを対象とした教育プログラムで、PYP(幼稚園・小学校)、MYP(中学校)、DP、(高校)に分かれます。
もともと外交官、国際機関職員、駐在員の子女がインターナショナルスクールを卒業後様々な国の大学に円滑入学できるように世界共通の大学入試資格、卒業証明書を発行するための機構でした。というとエリート教育のように聞こえますが実際には、数か国の教育の最も優れた要素を導入した現代のグローバル社会に合った教育を開発していったのです。もともと導入の中心はアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、オーストリアでしたが近年、中東、アフリカ、南米エリア、インド、中国、香港、インドネシアと世界147か国3791校(2014年6月現在)と認定校を意欲的に増やしています。
理念の「多文化に対する機会と尊敬を通じて、平和でより良い世界の実現のために貢献する、探究心、知識、そして思いやりのある若者の育成を目的としています。」「世界中の児童・生徒に対し、他の人たちをその違いと共に理解し、自分と異なる人々にもそれぞれ理があり得ることが分かる、行動的で、共感する心を持つ生涯学習者となるよう働きかけています。」を見ても現代の日本の教育(画一的で学力偏重の学校教育)と大いに違うことがわかります。
また目指す学習者像として10の項目を提示しています。「探究する人」「心開く人」「思いやりのある人」「考える人」「挑戦する人」「コミュニケーションができる人」「バランスのとれた人」「信念のある人」「振り返りができる人」。
以上のような目標で教科の枠にとらわれず自己、地域、国、世界の成り立ちを科学的な要素を取り入れながら各教科が横断的な関連を保ちながら学んでいきます。又、物事を深く多角的に見て、考え、自分の判断で行動する「探究型」で学んでいきます。評価は成果を測るのではなく生徒の学びを深め、進めるための形成的評価を行い、生徒は学んでいることがテストや受験のためだけではなく、グローバルマインドと自立して人間交流ができる真の国際人へと成長するためだと理解できるようになります。
学習は20人ぐらいの少人数で教師はファシリテーターとなり、ディスカッション中心にすすんでいくので思考力が高められます。このように現在の日本の教育を暗記型の知識教育から思考型の全人教育へ大きく舵を切る鍵をにぎる「国際バカロレア」を子どもたちの人間性を育むために公立高校から、中学、小学校と拡げていきたいと思う。
日本における認定校の数は27校である。(表1)
名称 |
都道府県 |
IB認定年月 |
PYP |
MYP |
DP |
セント・メリーズ・インターナショナルスクール |
東京都 |
1979年9月 |
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○ |
カナディアン・アカデミー |
兵庫県 |
1980年9月 |
○ |
○ |
○ |
サンモール・インターナショナルスクール |
神奈川県 |
1984年7月 |
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○ |
横浜インターナショナルスクール |
神奈川県 |
1984年10月 |
○ |
○ |
○ |
清泉インターナショナル学園 |
東京都 |
1986年1月 |
○ |
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○ |
関西学院大阪インターナショナルスクール |
大阪府 |
1990年10月 |
○ |
○ |
○ |
静岡県 |
2000年1月 |
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○ |
○ |
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ケイ・インターナショナルスクール東京 |
東京都 |
2002年1月 |
○ |
○ |
○ |
広島インターナショナルスクール |
広島県 |
2005年4月 |
○ |
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○ |
東京インターナショナルスクール |
東京都 |
2005年12月 |
○ |
○ |
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神戸ドイツ学院 |
兵庫県 |
2006年6月 |
○ |
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京都インターナショナルスクール |
京都府 |
2006年12月 |
○ |
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福岡インターナショナルスクール |
福岡県 |
2007年4月 |
○ |
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○ |
名古屋国際学園 |
愛知県 |
2008年5月 |
○ |
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○ |
東京都 |
2009年3月 |
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○ |
○ |
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広島県 |
2009年6月 |
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○ |
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京都府 |
2009年9月 |
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○ |
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カナディアン・インターナショナルスクール |
東京都 |
2009年12月 |
○ |
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|
東京都 |
2010年2月 |
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○ |
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沖縄インターナショナルスクール |
沖縄県 |
2011年7月 |
○ |
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群馬県 |
2011年10月 |
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○ |
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つくばインターナショナルスクール |
茨城県 |
2011年11月 |
○ |
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同志社国際学院 |
京都府 |
2012年3月 |
○ |
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○ |
大阪YMCAインターナショナルスクール |
大阪府 |
2012年6月 |
○ |
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インディア・インターナショナルスクール・イン・ジャパン |
東京都 |
2013年6月 |
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○ |
ホライゾン・ジャパン・インターナショナルスクール |
神奈川県 |
2013年6月 |
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○ |
福岡県 |
2013年10月 |
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○ |